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大河義経はおわっちゃったけど。「リョウ」上田倫子 

昨年は大河ドラマ「義経」が好評で(ツッコミ不可)、ゲームやメディアミックスで源義経が話題でしたねー。今回は少女マンガで義経のお話を。

現代を生きる少女リョウはある修学旅行中、怪しい長髪の男「弁慶」に「義経」呼ばわりされ、付きまとわれる羽目に。色男(しかも現代で999人切・笑)の弁慶に、次第にリョウは惹かれて…リョウは弁慶の千人目の女になってしまうのか!?そして、義経はどこに?
上田倫子「リョウ」コミック文庫で復刊中!

歴史上人物「実は○○は女だった!」(一番良くあるのは沖田総司ですが)義経ver。少女マンガと侮ること勿れ。
かーなり!泣けます。燃えます。悶えます!正直三回は号泣した。
人物描写が脇役にいたるまでいいんだ。ryo

まず、意外だったのがリョウが本物の義経だったこと。
彼女は数年前に平安時代から現代にタイムスリップしており、発見者の祖父から「リョウ」という仮初の名と記憶(実は祖父の亡くなった孫)を植えつけられていたんです。
記憶を取り戻し、源氏の御曹司として平氏と戦うリョウはさまざまな人々と出会い、避けるべき歴史をなぞって生きていきます。

イケメン弁慶とその元彼女虎子、その場の勢いでリョウについてきちゃった、幼馴染で気のいい葵。弁慶のライバルで生真面目な海尊、リョウに思いを寄せる平家の貴公子惟盛……そして歴史上で義経を自殺に追い詰めることになる、源氏の長にしてリョウ(義経)の兄頼朝。
それぞれ語ると夜が明けそうなくらい好きなんですが、私的にこうくるとは!と唸らされたのが兄頼朝の描写。

現代の私たちが知る頼朝とは違い、この兄上は義経に対して常に好意的。明るく強く頭領として指導力もカリスマも兼ね備えたまさに理想の兄。歴史に詳しい葵の手助けも得て彼との衝突は避けられ……るかに見えましたが。
大事なものを失うことで頼朝の心は壊れていきます。歯止めを失い冷酷な将軍としての側面を強める彼が孤独のうちに求めた最後の光、それは常に自分を慕い、支えてくれた「リョウ」でした。狂気の兄の恋情から逃れるために平泉へと向かうリョウと弁慶。
歴史は繰り返されてしまうのか。二人の運命は…?
後半二巻は息を呑む怒涛の展開です。

上田先生、うまいなあ!と思うのは登場人物の心の揺れ動き。主人公リョウも大概ふらふらと弁慶と惟盛の間をしてしまうんですが、その感情の揺れに無理が無い。二人とも、一生懸命で、すごく素敵だもん、とそのほだされる様に涙し、そのリョウの心さえも受け止めライバルの最後の願いをかなえてやる漢弁慶に痺れます。アンタイイオトコすぎるよー!!!私も弁慶に仕えて欲しい。どっかにおちてないかなあ(笑)

最終回、リョウと弁慶の盟友海尊の晴れ晴れとした、しかし悲しげな微笑をみながら読者である私も「二人」の行く末に想いを馳せるのでした。

TVドラマ化を密かに望んでいるんですが、どうかなー?

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リョウ

上田倫子 全13巻※現在は文庫本が発売されています
  • [2006/01/31 15:18]
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