スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

臭い飯でも一緒に食うか「天切り松 闇がたり」浅田次郎 

実写では勘九朗が好演、ですが私のイメージではないのでした。
おひょいさんに髭そってもらって30%骨太になったらやって欲しい…無理か。


天きり松闇がたり浅田次郎

闇がたり、というのは夜盗が使う特殊な声音のこと、六尺四方にしか聞こえないというその独特の声音でその老いた夜盗は留置所の中、とらわれた容疑者や警察を相手に、今夜も「昔語り」をはじめます。
語りますは帝都に名を馳せた「目細の安吉」一家をとりまく悲喜こもごも。ストーリーテイラー浅田次郎が語り口見事に綴ります。
浅田次郎さんは常々「自分が声に出して読んで美しくない文章は駄文」という意味合いのことをおっしゃってますが、この作品は名文中の名文!
耳の中で、天きり松が語ってくるかのような錯覚にとらわれ、リズムよくかたられるその話にじぃっと聞き入って(本当は読んでですが)しまいます。

天きり松が語るその世界の住人は気概に満ちて悲しみに満ちてけっして順風満帆とはいえない人生をしかし、自分なりの筋をぴしっと一本、通して生きています。それに比べてお前はどうだ、と老人は聞き手である登場人物に

…ひいては本を読む私たちに問いかけてくるのです。

天きり松、昔語りでは松蔵少年は親に捨てられ姉を女郎屋に売られその姉すら病でなくし、彼自身は義賊といえども裏家業である盗人一家に保護されるいわば日陰の身の上です。
その境遇でも彼が曲がらず挫けず(裏道でも)一本道をまっすぐ生きてこられたのは、目細の安吉親分をはじめ一家の魅力的な人々の教えがあったからこそなんだろうな。と思います。
彼らは法に背きますが、決して無体なことはしない。筋は絶対に曲げない。意地と誇りは通します。
押し込み強盗寅兄はじめ、目細一家の魅力的な面々に、私も松蔵を通して憧れ、たまには説教をもらいながら成長をしていく気分になります。
説教って、「教えを説く」ってことなんだよな、とそれをしてくれる人間が周りにいない現在、実は悲しい、と感じたりも。

戦争よりこっち、日本人が失くしたものってなんでしょう。昔の人間が確かにもっていて、今は無いもの。
勿論私は昔を知らないので確証はありませんが、本作を読む限り、浪漫や風情や心意気や意地が現在を生きる私よりもはるかにあって、その毅然とした姿勢に……頭がさがります。
そのままあがらないまんまなのかも。

便利になって、世の中平らになっちゃったけど、ならされちゃった地平は、却ってすべてが見えすぎちゃって、おくゆかしさも面白味も…闇の部分と一緒に滅びてしまったのかもしれませんね…。
それゆえの闇がたり。かな。

第三巻、私は道化の恋文、の話が一番堪えました。
「オワラヒクダサイ イツマデモ」という一文に込められた万感の親の思い、息子の意地、どんな境遇だって、辛抱して辛抱して人生を笑って終えられる、そんな人間は神様よりすごいと思う。
浅田次郎作品は確かに懐古主義で先は読めちゃうかもしれない。
だけど読んだ後によし、頑張るぞ!
と思えるから好きなのであります。

せめて読んだ翌日くらい、背筋をしゃん!のばして意地を通していたいと思うのでありました。
通す意地があるのかが疑問だわ…あう。

スポンサーサイト

Comments

つくばエクスプレス案内

つくばエクスプレスの検索サイト。路線図、時刻表、WIKI、つくば駅、定期などつくばエクスプレスに関する各種情報をお届けしています。 http://had.santamonicatravelodge.com/

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackback URL
http://yashiro5.blog40.fc2.com/tb.php/23-285dcf79

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。