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謎は霧の中に消え「一八八八 切り裂きジャック」服部まゆみ 

英国史上最も凶悪にして有名な連続売春婦殺人事件。通称「切り裂きジャック事件」を扱った小説です。
医学部に在籍し留学生として英国にわたった柏木はスコットランドヤードに所属する友人の鷹原と再会します。再会を喜び合ったのもつかの間、彼らはロンドンを騒がすおぞましい連続殺人事件へと深く関わることに。

ロンドンの闇を切り裂くジャック。それは世に「化け物」と名高きエレファント・マン(ジョン・メリック氏)なのか、それとも奇行の持ち主王子「エディ」なのか…?


鷹原は男爵のあとつぎであり比類なき美男子としてロンドンの社交界でも名を馳せています。
女性ならともかく日本の男性がその当時もてはやされることなんてあったのかかしら、と甚だ疑問ですがそれは萌えの前には野暮なので目をつぶることとして万能な鷹原と対照的に始終ぼーーーっとした柏木君はなぜか仲のいいお友達。
多分彼の罪の無い精神を鷹原は好んでいるのでしょう。
そんな柏木は「自分の進むべき道」について疑問を抱いています。

国費で留学したものの医者になってよいものかどうか。否、そもそも自分は医者になりたいのか…いつの時代も自分探しは青年の命題のようです。
正直国費使ったんなら死ぬ気で返せよコラとか思わなくも無いんですが、ともかく彼は逃避してきた英国で恋と小説と言う新しい世界を知ることに。


切り裂きジャック事件は残忍な手口と、これだけの難事件にもかかわらず急遽捜査が打ち切られるという謎の終焉を迎えたことでも有名な事件で、スコットランドヤードの逃げ腰な姿勢から当時、売春婦と交際のあった王子エディの犯行だったのでは?とも噂されました。妻や恋人や元妻を死に追いやるのは英国の伝統なんでしょうかね…
さて、本作品はエディよりもむしろ前述の「エレファント・マン」に焦点があてられています。
そのみるもおぞましい姿から見世物小屋に売られ、死を待つばかりの哀れな異形ジョン・メリック。柏木は皮膚科の研究論文を書くという名目でジョンと対面し、言葉を失います。
私もジョン・メリックの写真をネットで検索して一瞬呼吸が止まりました。これは…見世物にされるでしょうね…。
今の医学でも治癒は難しいのではないでしょうか。
映画や演劇だと外見に反してピュアな心の持ち主といういかにもな描かれ方をしているエレファント・マンですが作品中ではジョンは礼儀正しくもいたって普通の人間として描かれていました。これがリアルなんじゃないのかあ。
また、切り裂きジャック事件の被害者は最後の被害者メアリ・ジェイン・ケリーをのぞき高齢の娼婦ばかり。例え事件が起ころうとも治安の悪い街頭に立ち日銭を稼ぐしかなかった老いた売春婦たちが多かったせいです。
厳しいロンドンの貧困層の現実も浮き彫りになった事件だったんですね。


鷹原と事件を追っていくうちに柏木はさまざまな人間と出会います。美しい売春婦、皮肉屋の作家、皇太子夫妻、見栄っ張りで気の良いロンドンの大家、おしゃまな可愛い隣のアリス…事件が紐解けていくにつれ、色んな世界に触れることで、彼自身の未来も次第に明確なものへとなっていきます。
単純にジャック関連小説というよりは純朴青年柏木の自分探し小説と思って読んだほうが良いのかも。

最後の段落でにやりですよ。柏木爺さんの私「小説」とても面白かった、です。

柏木と鷹原が非常に仲がよいので、なんとなく見目麗しい男性二人が仲良くしているのを楽しみたい方にもおススメです。(その手の小説では無いですけどね!)
美青年に翻弄されてみたいなー。

切り裂きジャック事件

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